痛みは脳でつくられる

なぜ脳からのアプローチで痛みがとれるのか

最近患者さんから面白い話を伺いました。
膝が痛くて整形外科でスキャンしてもらったけど、特に異常はなく、仕方ないので鍼灸に行くと、そこでは筋肉を鍛えればいいということで運動を教わりました。

その鍼灸の先生が、椎間板がびっくりするほど減っていても痛みが無い人と、少し減っただけで激痛になる人がいるということをおっしゃっていたそうです。
周りの筋肉によって痛みが出るか出ないか違うので運動をしましょう。という事で運動を習ったそうです。

もちろん関節の周りの筋肉の状態で、関節そのものが弱くなった所をカバーするというのは理にかなっています。
ただ、筋肉の強さだけが問題なのでしょうか?
腰痛の8割以上は原因不明と言われています。

腰痛痛みのメカニズム

海外の研究に、「腰痛の1番の治療法は退職」というものがあります。

マッサージも手術も決定的に効くわけではなく、痛みがなくなった人達の特徴は「退職した」という事だそうです。

そう考えると筋肉そのものも、痛みのあるなしの直接の原因とはいえない可能性があります。

現在、痛みに関して注目されているのが、
「脳が痛みをつくりだしている」
という事です。

脳の中の側坐核という部分が痛みと関係しているそうです。

急性の炎症の痛みは違いますが、原因がはっきりしない慢性痛については脳と密接な関係があるということです。

痛みを感じるメカニズムは複雑で、脳のここにアプローチすればすぐ痛みがなくなるというものではありません。
ただし、痛みを和らげる働きを強めることに関しては研究が進んでいるそうです。

痛みを和らげる物質は脳の「側坐核」という部分が関係していて、慢性痛がひどい人は側坐核の活動がが低下しているそうです。側坐核の働きは痛みを抑えるだけではありませんが、側坐核がうまく働かないと痛みを抑える能力が下がるという事です。

痛みが脳からきているという話にすぐピンとくる方は多くないかもしれません。ただ、腰痛などは笑っている時、何か夢中になっている時などはほとんど感じない経験をした事はないですか?

急性の炎症を起こしている時は常に痛いと思います。しかし、慢性的な痛みはそれほど強くない時があるはずです。これは脳と痛みに関係があるということにつながります。


側坐核を活発にすることで痛みを軽減出来るそうです。
では側坐核の働きを活性化するために何ができるでしょうか。
現在の研究でわかっていることは
「繰り返し達成感をもつ経験をする」ことが効果がある
ということです。
反対に、不安、恐怖、怒り、焦りなどは痛みを強めるものとなります。

脳整体で体の変化を感じることは、痛みと脳の関連性を変えていきます。
また私自身も側坐核にアプローチするやり方をこれから重点的に研究していきたいと考えています。

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